【レビュー】手軽に安全に容量不足解消! 初めての方にも、買い替えの方にもオススメしたい、アークのQNAP NAS BTO「QNAP TS-233/WD20EFPX/4TB」

スマートフォンでもPCでもデータの保存先に頭を悩ましている人は多いのではないだろうか。よく写真や動画を撮影する人なら大容量化するデータをどうするか、PCやタブレットなど複数のデバイスを使い分ける人ならどうやって必要なファイルを共有するか。

その解決方法の一つとして「クラウドストレージ」を契約する方法もあるが、プライバシーの漏洩、生成AIの意図せぬ利用、突然のサービス終了といったリスクがある。また、サブスク型なので月額、年額といった費用が発生し、コストもかかる。そこで注目したいのが、データの安全な保存が可能で共有化もしやすい「NAS」(Network Attached Storage)だ。中でもアークの「QNAP NAS BTO」は、ユーザーの細かなニーズに応えつつ、手軽にNASを導入できるのが特徴だ。

 

そもそも「NAS」って何?

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NAS(ナス)とは、「Network Attached Strorage」の略で、ローカルネットワーク(LAN)に接続するストレージデバイス。自宅で使っているルーターに接続して使うのが一般的だ。同じネットワークに接続しているスマートフォンやPCから自由にアクセスできるのが最大の利点。それぞれのデバイスのデータをバックアップしたり、家族で共有といったことが手軽にできる。スマートフォンで撮影した動画や写真をNASに保存して、PCで編集といった作業もスムーズに行えるわけだ。

クラウドストレージとは異なり、データは家庭のネットワーク環境に保存されるのでデータが検閲されたり、アカウントが停止されるといった心配がないのも強み。NAS自体の購入という初期投資は必要だが、月額など継続的なコストがかからないのもメリットだ。

目的や用途に合わせて多彩なモデルから選べる! データを強固に守れるのも強み

NASには多彩なモデルが存在している。10TB以上の大容量タイプもあれば、複数のストレージを内蔵し、データの冗長性を高められるタイプもある。分かりやすいのが、2台のストレージに同じデータを書き込むRAID1(ミラーリング)への対応だ。片方のストレージにもし障害が発生してもデータを失わずに済む。多くのストレージを内蔵でき、より大容量化できたり、さらに冗長性を高められる製品もあり、大切なデータを大量かつ安全に保存できるのもNASの大きな特徴だ。

バックアップ機能や外部からのアクセスが可能な製品も

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Windows PCのバックアップやスマートフォンの写真管理などさまざまな機能を追加できる製品も存在する。さらに、インターネット経由でNASにアクセスできるサービスを提供しているメーカーも多く、外出先から必要なデータを確認したり、友人と写真や動画を共有したり、スマートフォンで撮影した写真を即NASへとアップロードといった使い方も可能だ。クラウドストレージと同じように使えるのもNASのメリットと言える。

NASのメーカーとして高い実績を持つ「QNAP」

NASはさまざまなメーカーから販売されているが、設計・開発製造・品質管理をすべて自社で行い、世界で高いシェアを持つのが「QNAP」(キューナップ)だ。2004年に設立されたネットワーク機器専門メーカーで、企業・データセンター向けの大規模な製品から手軽にファイル共有できる個人向けまで幅広いラインアップを揃えている。

QNAPの個人向けNASは、高性能なハードウェアによる快適な動作に加えて、独自のOSとアプリによって写真や動画の管理・共有、インターネット経由で外出先からのアクセスなど多彩な機能を追加できるのが大きな特徴だ。

老舗PC専門店「アーク」が手がける「QNAP TS-233/WD20EFPX/4TB」をレビュー

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  アークQNAP NAS BTOの一つ「QNAP TS-233/WD20EFPX/4TB」。直販価格は65,980円(税込)から。こちらは最大16TBまでのBTOカスタマイズに対応可能だ。

秋葉原の老舗PCパーツショップであり、さまざまなBTO PCを手がけるショップとして知られるアークが発売しているNASが「QNAP NAS BTO」だ。QNAPのNASを普通に購入するのと何が違うのか? と思うところだがBTOならではの強みがある。

Western Digitalの24時間365日の連続運用を想定したNAS向けストレージ「WD REDシリーズ」を採用し、4TBから48TB超の大容量まで幅広いラインアップを用意。ベースとなるQNAPのNASも搭載できるストレージの数やネットワーク速度別に複数あり、用途に合わせて選べるようになっている。

便利なのは、注文時のカスタマイズメニューからストレージの容量やRAIDの設定を選ぶだけで、それを組み込み、OSのインストールなど手間のかかる作業を済ませた上で出荷してくれること。家庭のネットワークに接続するだけで、すぐに利用を開始できる。

ここでは、QNAP NAS BTOモデルの一つ「QNAP TS-233/WD20EFPX/4TB」を例に使い勝手を紹介していこう。ホーム＆SOHO向けの2ベイNASで、ネットワークはギガビットイーサに対応するエントリーモデル。標準構成では2TB×2台で65,980円(税込)、最大8TB×2台まで選択できる。

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  3.5/2.5インチのストレージを2台搭載できるエントリー向けの2ベイモデル。標準では2TBのHDDが2台組み込まれており、RAID1(ミラーリング)が構築されている。

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  サイズは186×91.7×157.6 mmとコンパクト＆スリムなので、置き場所を選ばない。

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  電源は小型のACアダプタを使用する。

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  前面は電源、USBコピーボタン、USB 3.2 Gen 1ポートがある。

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  背面はLANポート(ギガビットイーサ)、USB 2.0×2ポートを用意。

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  Windows PCからQNAP TS-233/WD20EFPX/4TBへとギガビットイーサで接続したときの速度。リード、ライトとも100MB/sを超えており、NASとしては十分高速だ。

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操作しやすい専用OSの「QTS」を搭載。外出先からのアクセスも可能に

NASの設定にはWebブラウザでアクセスが可能だ。専用OSの「QTS」があらかじめインストールされており、初期設定も簡単に済ませられる。QTSは、Windowsやスマートフォンと同じようなGUIで直感的な操作が可能。多彩なアプリが用意されており、必要に応じてインストールでき、スマートフォン的に使えるのが便利だ。例えば「File Station」アプリなら、ネットワーク内のデバイスからアクセス可能な共有フォルダの作成や管理が行える。

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  スマートフォン感覚でアプリを追加できる専用OS「QTS」。

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  共有フォルダの作成や管理が行える「File Station」。

外出先からインターネット経由でNASにアクセスできる「myQNAPcloud」というアプリも用意されている。QNAPアカウントの作成は必要だが、発行されるSmartURLを入力すれば、外出先のPCからも簡単にNASへとアクセスが可能だ。iPhoneやAndroid向けの「Qfile Pro」アプリを使ってもアクセスできる。月額不要のクラウドストレージ的な使い方ができるのも大きな特徴だ。また、「HBS 3 Hybrid Backup Sync」を使えば主要なクラウドストレージへのバックアップや同期も行える。クラウドストレージの利用に抵抗がなければ、バックアップ体制をより強化が可能だ。重要なデータは分散してバックアップしたほうがより安心と言えるからだ。

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  「myQNAPcloud」アプリ。発行されるSmartURLを入力すると、外部からのPCからNASにアクセスできる。

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  「Qfile Pro」アプリを使えばスマートフォンからも外出先からアクセスできるだけでなく、撮影した写真を自動的にNASへとアップロードといった設定も可能だ。

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  「HBS Hybrid Backup Sync」では主要なクラウドストレージと連携できる。

このほか、QNAP TS-233/WD20EFPX/4TBではあらかじめ2TB×2台のHDDを使ってRAID1(ミラーリング)が構築されており、もし1台に障害が起きてもデータは守られると高い冗長性が確保されている。このRAID1の構築が済んだ状態で、出荷されるのも非常にありがたいポイントだ。NASの利用経験者なら、RAID1の構築にかなりの時間がかかることは知っているだろう。

また10年以上、QNAPの代理店実績があるテックウインド社が自社工場での厳格な検査を経て出荷している。加えて、標準で国内3年間の長期保証が付帯しており、安心して使えるのも大きな特徴だ。

NASのBTOは珍しいように思えるが、容量を自由に選べる上に、ストレージの組み込みやOSのインストール、RAIDの構築と言った手間にかかる作業を行った上で出荷してくれるのは非常にありがたいところ。これからNASを導入しようと思っている人はもちろん、買い換えを検討している人にもぜひ注目してほしい。

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